mori no oto
森の音 mori no oto
緑色に染めた原毛を紡ぐ作業はとても時間と根気がいるものですが
まだらに染めた緑色の原毛が、スルスルと糸になっていく様は森を散歩しているような錯覚を覚えます。森の入り口、里山近くで育った私の一番の遊び場を思い出しながら。
郷愁というのでしょうか木々の緑色は人生の中で一番無垢だったころを思い出させてくれます。
紡ぎ上がった糸を織っているときは森の中をさまよっているような錯覚がしていました。それは心地いい音楽を聴いているときのようでした。さまよう森の色彩は深く美しい。
音もします。葉擦れの音、木の実の落ちる音、昆虫の這いまわるわずかな音、ほわりと花が開く音もかすかに聞こえてくるのです。
心が解放される至福の時が布になりました。
布の細かなシボは強撚糸が縮絨の時に元に撚りが戻るときに出る歪みです。
サイズ:145cm×185cm
- 原材料
- ウール(シュロップシャー他)
- 糸
- 手紡ぎ糸(強撚)
- 染め
- イルガラン、イルガノール
- 織り
- 平織
- 制作者
- 田篭みつえ
