工房の日々
3か月の挑戦
work,memory,
軽トラに乗って3~4時間かけて熊本県南阿蘇から通って糸から紡いで織ったマントです。
縮絨したばかりで湿っていましたが嬉しそうに羽織ってくれました。
ちょっと短かったかな?
彼は東京から農業を通じて地域貢献がしたいと移住したそうです。
そこで農業を学びながら目にしたものは、阿蘇の野焼きでした。
テレビでも見かける早春の風物詩ですね。
冬の枯れ草を焼き払って地面の消毒をし、新芽の発芽を促す、、うん、よくは分かりませんが。
見た目には美しい光景ですが火の回り方では危険な作業らしいとはよく聞きます。
彼の前職はアパレル関係だったそうで、防火服を近くの羊牧場の羊の毛で作ってはどうだろうかと思いついたそうです。
そこで、はるばる私を訪ねてきてくれました。
彼の理想論を聞きながら、まずは自分の手で羊の毛を紡いで織ってみてはどうですか?
羊の手仕事の本質を知らないと語れないよと、厳しい言葉を投げかけました。
それからの3か月でした。
これから先のことは分かりませんが、農作物を自分の手から生み出すように羊の毛から着るものも生み出す魔法の手になってほしいです。
それにしても人懐っこい良い顔です。
工房に来る日のお弁当は自作でした。
台所は妻より僕の方が得意なのでと嬉しそうに語っていた新婚さんでした。