工房の日々
初めての手紡ぎマフラー
翔工房では織りの様々な技法を学びます。
その中の一つがホームスパンという羊毛を紡ぎ手織りしたものです。
このホームスパンを学びたくて入会される方もいます。
原毛という刈り取った羊の毛を洗うところから始める手間のかかるものですが、それより更にドキドキハラハラなことは糸紡ぎ、、
なかなか思い通りの糸にならないのです。
先輩がスイスイ紡ぐ姿を見ては自信を無し、肩を落としてため息なんてことも。
そのぶん出来上がりを眺める皆さんの顔は達成感に溢れています。
ここ1年ほど翔工房では織物の基礎がやっと身についたところで、ホームスパンに挑戦する方が増えました。
そこで初めて紡いだ糸で織ったマフラーを持ち寄って皆で見てみようということに。
翔工房の玄関のミニギャラリーにずらりと並んだ様は見ごたえあります。
使う原毛は同じでもそれぞれ表情が違いますし、織り方も平織、綾織だけなんですが全然違う織りのように見えます。
人の手の技ってこんなに違うものなんですね。
提案した私が驚き感動して見入ってしまいます。
しかも、それぞれのレシピ付きです。
これは翔工房で使っている染織設計書なんです。
隙間に謎の計算式まで載っていますね。
実は私が教えるホームスパンはただ紡いで織る、、ではありません。
緻密に計算をしてもらいます。
糸の番手とか長さとか。
織物をしていらっしゃる方にはわかるんですけどね。
そして、そして、、
ベージュの手紡ぎマフラーは、お亡くなりになったお母様の残された織り機を使いたいと入会された方が作られたものです。
織物を始めて1年ほど経ちました。
初めて糸を紡ぎ織って仕上げの縮絨をして、気づいたそうです。
お母様の遺品の黒に白の格子柄のマフラーがホームスパンであることが、、
実は黒のマフラーは私がお母様にご指導したものだったんです。
ずいぶん前のことですがお顔が浮かんで胸が熱くなります。
12枚のマフラーは3月4日まで翔工房の玄関ギャラリーに飾ります。
ホームスパンを勉強中の方が近くに居られましたら是非見に来てください。
きっと勉強になると思います。
そして3月6日から9日まで「インドの布」展を開催します。こちらのお知らせはまた。