翔工房
Sho Textile Factory

工房の日々dairy note

工房の日々

草木染めを知る

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茜の煮出し液で染めた後、ミョウバン媒染をしているところ。
吸収した色素が糸に定着していきます。
自分で育てた棉から紡いだ綿糸。ゆっくり時間をかけて染色→媒染→染色を二日間繰り返す。鮮やかに染めあがった糸。
綿、麻、シルク、ウール、それぞれに違った色相となる。
これは植物繊維か動物繊維かの違いが大きい。
同じ染料を使い、同じ条件で染めているのに染めるものによって色が違うのはなぜ?
このことも今回の茜染めの特別講座の狙いでした。
参加者それぞれが染めたい糸や原毛を染めるので、他の人が染めているのを見て学べるのはありがたいです。特に私の得意とする原毛の茜染は一日では染められない手間のかかるもので、お手軽な一日講習では教えられないものです。
試行錯誤してやっとたどり着いた技法は容易くは教えられなかった。
特にマフラーショールにしたい柔らかな細番手のグリージーウールを色濃く染めるのはとても難しいです。
1日がかりで煮だした茜液で、さらに1日かけて染めた原毛なのに、洗うとほとんど色素が流れてしまい薄いオレンジにしかならないことが何度もありました。
原因は原毛の油分の抜き方なのですが、これが難しい。
抜きすぎると媒染→染色と長時間煮る間にフェルト化しますから。下の方は根元なので油分が多く染まりにくい。
上の方の毛先はダメージヘアーとなって油分も少ないのでよく染まります。この糸は紡ぎ独楽で紡いだ糸を双糸にして染めたものですが、国産のサフォークで工業洗いされているので油分が良く抜けています。
油分が少ないのでよく染まりフェルト化もしていません。
けれど少し硬いですね。
首元を優しく包み込むようなものにするよりひざ掛けなどに向きそうですね。

私が自分の制作用にひっそりと染めてきた茜染めの技法をすべて公開しようと思ったのは、昨年から始めている「草木の染め手帖」のサンプル作りの一環です。
昨年は庭木中心に染めてきましたが今年は紅花など染料屋さんでしか手に入らないものも染めています。
植物で染めることには、色を求めるだけでなく、その時々の季節の感覚や作りたいものへの思いも
重なります。
そんな曖昧なところも含めて草木で染める意味を考えてもらいたいと思っています

今回の茜染めは4月、5月の2回、特別講座として行いました。
ポイントを時系列で覚えてもらうために2日間通して参加できる方のみで工房生が対象でした。
しかもそれぞれが自分で染めることを重視したので5名までとしました。

参加した方の染めたものを見て自分もと思われる方がいたので追加講座をすることになりました。

もし工房生以外で興味のある方がいらっしゃれば2名までお受けできます。
6月24日、25日両日参加できる方に限ります。
いらっしゃったらご連絡ください。
詳細をお伝えします。

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