工房の日々
記憶の色のストール
茜染4色にコチニールで染めた牡丹色を加えて5色で織りなす夕焼け色のストールが織り上がりました。
またですかという声が聞こえてきますが、、
大好きな茜染め手紡ぎ糸でストールばかり作り続ける理由があります。
子供のころ見ていた夕焼けの色は私の原風景です。
夕日が沈むころになると一緒に遊んでいた子らはそれぞれに帰っていくのですが私の家は皆より遠い西のはずれでした。
だから暗くなる前にと沈む夕日を追いかけるように家に帰っていた記憶があります。
刻々と変わる夕陽の色の変化はとても美しくて子供心にも胸がきゅんとする感動があった気がします。
泣きながらか見る夕日さえ美しかった記憶の中の色の再現をと長年織ってきましたが、、織っても織っても未だ辿り着けない。
二重織りなら表現できるかな、、
やってみて課題も残りましたがもう少し掘り下げてみようと思う第1作となりました。
それにしても二重織りは裏が見えないから飛び目があちらこちらに、、気をつけて織ったのに、、修正しても次から次に発見。
けど、二重織りは糸を切らなくても修正できることを発見。
(表からは見えないところに糸が通るのですが)
やっとの思いで修正を終えたのに次は縮絨のし過ぎ?
こんなものだと言ってしまえばそれで済みますが満足はいきませんね。
そんな愚痴を言っていたら髪を洗う時のリンス液に浸ければ良いと教えてくれる方が。
やってみます。
これは11月に開催する九州芸文館でのITOBAvol.4のリーフレットに載る作品となります。
今回も茜色をメインに私の原風景を再現してみたいと思っています。昨日は翔工房でその写真撮影がありました。
参加者22名とゲストアーテスト3名の25作品の撮影は一日がかりでした。
甘木絞の着物を撮影しているのは翔工房で染色教室をしてもらっている戸次先生です。
ひとりで写真撮りお疲れさまでした(相当疲れたと思います)
また6月2日は染色教室ですからよろしく。